2014/10/30

銀塩写真を始めたい人へ:モノクロフィルム編 # 7 フォマ/ FOMA


もしかすると、いまどき銀塩写真を始めたいひとがいないとも限らない。


万が一、そんな人がいた場合に備えて最近の銀塩写真情報をぼちぼちとまとめていきます。

カメラ編に続きフィルム編。それもモノクロフィルム。
風前のともし火と言われはや10年余。名を変え、国を変え、しぶとく生き続けています。I'm still STANDING!!

モノクロフィルム、まだ買えます。買えますとも。

今回は東欧フィルム、チェコのじゃじゃ馬fomapan!





★写真用モノクロフィルムの現状


そもそもカラーフィルムが普及した時点で、モノクロ(白黒)フィルムはまだ必要なのか?という議論もあったのではないかと思います。しかし、白黒フィルムはカラー時代を生き抜きました!それは、カラーフィルムをモノクロ画像にするよりも、最初からモノクロフィルムで撮影した方がだんぜんきれいだったからです。

デジタル時代にも同じことが言えるとは思うのですが、デジカメにフィルムを入れて撮影するわけにいかないので、フィルムカメラが衰退するとともにフィルム生産も大幅縮小されました。しかしモノクロフィルムはこのまま無くなるのか、と思いきや、国を変え、会社を変え、工場を変えて、多くのモノクロフィルムの生産はまだ続いています。






■FOMA フォマ


今回紹介するモノクロフィルムメーカーは「フォマ」です。
創業は1921年チェコスロバキア共和国。
東ヨーロッパ!社会主義一党独裁!鉄のカーテンの向こう側!

あまり詳しいことはわかりませんが、激動の世紀を生き抜いた会社であることはまちがいありません。現在は白黒フィルム(写真、映画)、X線フィルム、白黒印画紙、インクジェットプリンター用紙などを、主に輸出用に生産しています。

フィルムのラインナップでは白黒リバーサルフィルムが目を引きます。写真用としては、現在ほぼ唯一の白黒リバーサルフィルムです。

そんなフォマ社の訪問記はこちら。旧ソ連製の機械がいまも現役で稼働中!

"iN the JOURNEY we trUSt *"
A visit to the historic FOMA factory in Czech Republic


工場でフィルムを巻くおばちゃん。
この前ネガに指紋がついてましたが、きっとあなたのですね!

壁に貼られたポスター。
バック・イン・ザ・USSR!



 fomaブランドサイト











    fomapan100




    じゃじゃ馬です。ていうか、ビッチです。
    ツンデレだのアホ毛だのそんな日本的萌え要素は一切なし。手に負えません。
    最近、設計が変更されて、以前よりはずいぶんおとなしくなりましたが、それでもまだまだスラブ・ビッチ健在です。


    余談ですが、私がアフリカ旅行中に出会ったチェコ系カナダ人のアレックス君は「自分は美人しか愛せない。残念なのはチェコ以外には美人がいないことだ。」と言っていましたが、その後偶然に再会したケニアのバーでは地元の(お察しください)な女の子といい感じになっていました。そのへんを問いただすと「キャクターのある女性が好きなんだ」ということでした。


    話を戻します。fomapan100。キャラクターは問題なし!むっちゃあります!さすがはチェコ!
    まず暗部がスコッと落っこちます。
    え、写ってない!なんて当たり前。暗部はスコッとす抜けて真っ黒になります。
    じゃあ露出をのせればいいのかというと、こんどはハイライトがガリガリにぶっ飛びます。
    現像時間を長くして押せばいいのかな…と。いや甘い。ベースかぶりでフィルムが真っ黒になります。


    正直なところ、普通の現像方法では残念な結果にしかなりません。
    このフィルムにいうことを聞かせるには、静止現像などの相応の変態的現像方法によるしかありませんが、そうそううまくいきません。

    東京オルタナ写真部のフィルム現像ワークショップでは詳しい現像方法を解説しています。
    WORKSHOP & LESSON

    ビギナーには決しておすすめしないフィルムですが、キャラクターのあるフィルムを愛する人にはおすすめです。私は大好きです。



    フィルム:fomapan100
    現像液:Rodinal(改)
    ©Kenhsi Daito






    フィルム:fomapan100
    現像液:Rodinal(改)
    ©Kenhsi Daito


    フィルム:fomapan100
    現像液:Rodinal(改)
    レンズ:periscope 90mm
    ©Kenhsi Daito


    ©Tobias Feltus on flickr
    フィルム:fomapan100




    • フィルム感度とサイズ
      • ASA100
      • 35mm、120サイズ、シート(4x5、5x7、8x10、9x12)
    • データシート(PDF)





    fomapan200




    なんとあろうことか、T粒子フィルムです。東欧のT-MAX!
    微粒子、高精細。作例を見ても、fomapan100とは明らかに性格が違います。
    個人的にT粒子フィルムにはあまり関心がないのですが、これは興味をひかれます。



    ©di de on flickr
    フィルム:fomapan200
    現像液:Rodinal



    ©José Pedro Costa on flickr
    フィルム:fomapan200





    • フィルム感度とサイズ
      • 200
      • 35mm、120サイズ、シート(4x5、5x7、8x10)
    • データシート(PDF)




    fomapan400




    fomapan100と同じ旧型乳剤です。しかし作例を見ると100とはかなり性格が異なるように思えます。D76で現像しても暗部が出ないということはなさそうです。むしろ暗部のディテールはしっかりあり、ハイライトもガリガリにならずに収まっています。どうも、かなりかっこいい。コダックのトライXに近い感じかもしれません。うちの冷蔵庫にいるので、近々テスト撮影してみます。

    アドックス アトマル49現像液との組み合わせも結果が良好なようです。




    ©graham vasey on flickr
    フォルム:fomapan400
    現像液:PMK Pyro


    ©The Cassandra Project on flickr
    フィルム:fomapan400
    現像液:Diafine



    ©Miroslav Kormoš on flickr
    フィルム:fomapan400
    現像液:R09 (Rodinal)


    ©Rahada on flickr
    フィルム:fomapan400



    • フィルム感度とサイズ
      • 400
      • 35mm、120サイズ、シート(4x5、5x7、8x10)
    • データシート(PDF)





    fomapan R 100





    白黒リバーサルフィルムです。以前はスライド映写するために使われていたフィルムです。こういうフィルムが生き残っているのは東欧ならではなんでしょうか。ともあれ、現在も白黒リバーサルを製造しているのはほぼフォマだけです。現像は、専用のリバーサル現像キットが販売されています。コントラストの高い独特の写り方をします。

    白黒リバーサルフィルムは、写真よりも8mmや16mmの小型映画のほうがまだ需要があるかもしれません。実際、8mmフィルムのラインナップはすばらしい充実ぶり。ダブル8スーパー8、スーパー8の100フィート巻!(どんなカメラで使えるんだ…)シングル8がないのが少し残念。日本だけの規格ですからね。

    映画フィルムの生産縮小は深刻なので、少しでも長く生産を続けてほしいと思います。




    ©Štefan Kordoš
    フィルム:fomapan R100





    fomapan R100で撮影 (8mm)

    • フィルム感度とサイズ
      • 100
      • 35mm 映画フィルム(16mm、スーパー8、ダブル8)
    • データシート(PDF)




     *

    銀塩写真の最近の情報をまとめるシリーズ、モノクロフィルム編。
    前世紀の遺物。風前のともし火。なんとでも言え。どっこい生きてます。
    次回はアメリカのARISTA。






    「銀塩写真を始めたい人へ」記事は、ぼちぼち更新していきます。
    現在入手可能なもので銀塩写真を始められるように情報をまとめていきます。(簡単にね)

    フィルムカメラ編に続くフィルム編。
    まずは現在入手可能なモノクロフィルムを全て紹介します。
    それから、フィルム現像編プリント編(銀塩印画紙、デジタル)
    とぼちぼちと続く予定です。

    ではでは。










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